「保険治療」をしていた頃
- horiuchiclinic
- 2019年12月11日
- 読了時間: 3分

「保険治療もした方が、もっと社会的な信用もつくんじゃないの?」と言われました。
(するとしたら、私はお医者さんではないので、柔道整復師として整骨院と同じ形式の保険治療になります=骨折・打撲・捻挫‣挫傷の保険治療)
”気功”と”鍼灸(刺さないハリ・ツボに近づけて温める棒状のお灸”)の社会的信用?う~ん。
実は30年近く前に今の場所で、鍼灸整骨院として保険治療をしていたことがあります。
当時は未だ”気功治療”を前面に出す状態では有りませんでしたし、”気功”という言葉も現在ほど知られてはいませんでした。
行政の指導も今ほど厳しくはなく、ある意味、保険治療のし易い時代でした(適当にうまくやっていたという意味ではありませんよ!)。
本当にたくさんの方達が来てくださって、一人で3台のベッドを使って一日50~60人の方達に施術する時期が続く様になりました。
しかしその内に、保険適用の症状もあるのだけれど、本当の主訴は内臓疾患や慢性疾患、不定愁訴、また健康法などという方達が増えてきました。また直接に行政指導を受けた事はありませんが、行政から電話で、「この方、慢性関節リュウマチで病院にかかっているんだけど、その痛み、保険適応で治療しているとしたらまずいんじゃないですか?」と言われたりする様にもなって来ました。
本来の東洋医学系の治療や健康法の施術は,匙加減という言葉がありますが、同じ病名(さしあたりの呼び方です。本来は病名治療ではありません。)でも人ひとりひとり、また同じ人であつても、その時その時によって治療や施術の方法,量は微妙に違います。当然治療時間もその時によって異なります。その時点での個人全体(精神的なものも含めて)を見て治療、施術しようとする方法です。
(勿論、代替医療として現代医療の補填,隙間を埋める働き、治癒力のアップ、副作用の軽減、後療法の働きなども含みます。)
そういった意味では私の鍼灸整骨院時代の頃は、本来の東洋医学系や”気功”とは違ったやり方でした。何しろ人数も人数でしたから、メインの共通する治療の柱を作っておいて、プラス個々の症状に対処するというやり方でした。
また自分の中のある時代だったのか、できるだけ沢山の人数の方達を診るのが喜びで励みでも有りました。終いには70名近い方達を診た事もあります。治療院に泊まり込んだ事も・・。
それでも鍛練的な”気功”を続けていたせいもあってか、身体的にもギブアップの状態にはなりませんでした。
でもこんな状態を続けられたのも、今思うとその頃に治療院に勤め始めてくれた相良さんのお陰でした。本人も子育てで大変な時期だったのですが、受付、事務その他一切引き受けてくれました。「ひどい所に勤めちゃったなあ。」と思っただろうなあ。よく途中で怒り出さなかったなあと思います。
まあ、お分かりだと思いますが、ある意味もう無茶苦茶ですよね。
前述のような問題も出てきて、どうしようかと考える事も増えて来ました。そんな時、ある大きな出来事が起こりました。社会情勢も変化しました。今までの様なやり方はもう無理だと思い、いろいろな意味で大変な時期でしたが、思いきって保険治療での診療を止め自由診療に切り替えました。
治療方法も”陰陽五行”を基盤にした上での方法に変えて行きました。自由診療の代金は抑えたものにしましたが、予想通りというか来院者数は激減しました(収入も・・とほほ)。
社会情勢も自分の中のひとつの時代も変わったという事でした。
これが私の保険治療で診療していた頃の話です。「まー、ようやったわな。」と思わないでもありません。その頃の方達、出来事にも感謝しています。
・・・以上は昔の話。あまり過去は振り返らない様にしているんですが。
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