「どうして治療院を始めたの?」②
- horiuchiclinic
- 2019年12月24日
- 読了時間: 4分
治療院は、今ほど鍼灸がポピュラーではなかった頃だったにもかかわらず,ベット10台を使って患者さんに対処していました。先代の先生は大した方だったんだろうなと改めて思いました。
内弟子になってから半年ほどは、昼休みの食事時間中も先生を質問攻めにしていました。さぞ辟易されただろうなと思いますが、嫌な顔も見せずに答えて下さいました。
(経済的なことも含めて、世話をかけっぱなしだった両親、妹や友人たち、先生方,奥さん、仕事を一緒にしてくれている相良さん、来院の方達・・勝手な人間ですが、人には恵まれて来ました。
感謝してます。)
初めてそこで実際の臨床を経験させていただいたのですが、症状の重い方も多く、病院での治療と併用の方も多く来院されていました。
本当の(?)鍼灸って、考えていた以上に応用範囲は広く可能性の高いものなんだなと思うと同時に、西洋医学や薬の有難さも感じる事が出来ました。
⁽内弟子をしていた時に、また学校に通って「柔整師」の資格を取りました。)
鍼灸学校の時からずっと心にひっ掛かっている事がありました。それは”気”と”気の流れ”ということでした。わたしはそれを体感したことがなかったので、少しでも良いから一度は体感して納得したいと思っていました。
簡単に言うと、”気”は人の体の中では”経絡”という(神経線維とは違って眼には見えないけれど)”気”のルートの中を、陽経というグル-プは体の上方から下方に、陰経というグル-プは下方から上方に主に流れているというものです。
そして病気やケガ、精神的に不調になると、その”気の流れ”が障害される、鍼灸の技術などによってその障害を取り除き、さらにスムーズな流れにすることで病気やケガ、精神的な不調から回復し、さらに健康を増進していくという事です。
経絡敏感人(?)と言って、先天的にその流れを感じる人もまれにいる様ですが、大抵の人は鍼灸などの刺激を受けても、”気”や”気の流れ”を感じる事はありません(刺激を受けると、全く関係のない様な身体の部分などに反応が出て、ご本人も驚く様な事は時々起こりますが)。
考えてみれば、”経絡の流れ”をしょっちゅう感じていたりしたら、まともに生活なんかできる訳がありませんが、自分なりに納得の出来る体験はしたいと思っていました。
その頃、例の友人が「この先生、すごいんだ。」と言って、どこからか手に入れた古い映像を見せてくれました。よく見ると,ボデイビルダーと違ってふっくらした感じですが、すごい体の上半身裸の人の独特な動作や抜刀術の様な感じの映像でした。
武術でもないし、体操や健康法でもない、動きの意味もよく分かりませんでしたが、その後、神田の古書店でその方が戦前に出版された自伝と写真入りの動作の解説書籍を何冊かみつけて、見よう見まねで始めてみました。
陰陽ではありませんが、鍛練的な気功が基本になっていると思った打撃系の武術と、この方の鍛練法が結局現在私が行っている”気功法”や”気功治療”の基盤になりました。
(似ているところもありますが、姿勢や動き、ポイントの置き方、考え方などは、私なりのものになってしまいましたので、本来の仕方をされている方から見れば変だという事になると思います。)
”気”と”気の流れ”のことですが・・。
神戸に帰って来て、最初はあるマンションの一室で「鍼灸院」をしていました。わたしは早起きとランニングはあまり好きではないのですが、しないことに後ろめたさも感じて、週に何回か暗いうちに起きて登山口のふもとにある公園まで走って行ってそこで練習したりもしていました。
その頃には”気の反応(?)”として手が熱くなったりチリチリしたり、時にはチリチリが余りにもきつくなって、地団駄踏んだり手を振り回したりするような事も経験したりはしていました。でもやはりそれは”気”や”気の流れ”ではありませんでした。
ある日、寒い日のまだ暗い公園で、腰を落として動きの練習をしていました。
暫く練習していると、急に熱いお湯の様なものが、尾てい骨のあたりから背骨を頭の方にゆっくり上って行くのを感じました。
以前に読んだ仙術かヨガの本か何かに、そういうものを不用意に頭までもっていくと精神に変調をきたすとか、背骨の上の督脈という経絡と体の全面中央の任脈という経絡を変につなごうとしたりすると、「空車を回す」と言ってやはり精神や体に変調をきたす、という様なことが書いてあったのも思い出しました。
結局その熱いものが首の辺りに来た時に、動きを変えて止めてしまいました。
ですがこの経験のあと、自分が学んできた経絡やその法則、古典なども原理原則を教えているんだと思う様になりました。道路でいえば幹線道路と車の流れの様なもので、幹線道路以外にも道路はあるし、別の車の流れも有るんだという感じです。”気の流れ”に対する「こだわり」は無くなりました。
この後は、前々回のブログに繋がっていく事になるんですが、何かねえ・・?。
正直、焦ったりする時もありますが、元気で明るく楽しく一生懸命生きて行こうと思ってます。
「どうして治療院を始めたの?」の答えになってないね。 ゴメン!!
!!
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